81. 袋小路 だと きがついた

辰井さんの部屋は環状線の内側だけれど、すごく静かなところにありました。

隣が森だったみたい。部屋が沢山並んでいる大きなアパートで、
入り口に小さなキチネットがついている6畳間。

「米は、ジャーに出来ているから、おかずだけ買ってこうか。何食べたい?」
駅前のお惣菜屋さんで、揚げ物とサラダ買ったかしら。

この日も、なぜかあたし、お客さんしていた。

「ここに越してこないか?」

その日のことで、あたしが覚えているのはこの一言だけ。
「うん」て返事したんだったか、どうだったか。

次の日、帰りに私の部屋に二人でよって、
紙袋に入れた着替えを持って辰井さんの部屋にいきました。
私の部屋でレモンティをいれて、クッキー食べて。
それから、どうしたのかなあ。どこかで夕飯食べて帰った。んだったかしら。

いつのまにか私、笑わなくなっていました。

そこも、やっぱり袋小路だと気がついたのはどのくらい経ってからだったか。
その頃には、デッサン教室にも行かなくなっていました。
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by chigsas | 2010-03-31 11:54 | 小説