89.急な 話 だったから

その人がいろいろ手伝ってくれる人をさがしている。
これから始めるからどうなるかは分からないけれど、
もし働くつもりがあるなら、ちゃんと面倒見てくれるように
頼んでもいい。というようなことを言って、最後に
「何かを、覚えるのにはいい環境かもしれないよ」
とても真面目な、顔でそう言いました。

急な話だったから、ただでさえ反応の遅いわたしは、
なんと答えていいか、わからなかったんですね。

高田君がポリ袋シャカシャカ音立てながら、戻ってきたので、
「明日まで、検討して見なさいね」

それで、何食べたんだったかしら、あのとき。
にぎやかにしゃべったような気もするけれど、
三人で? というか二人が

「さ、お腹もイッパイになったし、元気出して、帰ろう」

駅まで歩きながら
「田中さんの代わりに行っても、私、使い物にはならない」
「分かってるよ。・・だから、頼むのよ!」
あの一言、私の中のなにかをぱっと解いてくれたんです。

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by chigsas | 2010-05-30 15:06 | 小説