107. 石の種 蒔いちゃった

あなたの心のどこかの隅に小さな石の種を播いちゃった。

そう、感じたんです。

石だから、芽を出すはずない。
でも、遠くに小さな冷たい色の灯りが一つ、見えた気がしたの。

私にしては不思議なくらい、篠原事務所の仕事を覚えていきました。
まず、ワープロを一生懸命覚えました。

挿絵とかイラスト原稿受け取りのお使いも、なんとか、できるようになりまた。
篠原さんたちがまとめた原稿をXX出版編集部に届けることも。

そういえば
事務所の空き机に竹内さんがいつもいるようになったの、どのくらい経ってからだっかしら。

「竹内君、一緒に仕事してくれる仲間。これからちょいちょいここに現れるからから、覚えてね」
篠原さんらしいけれど、それだけでした。

「よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします。教えていただければ、なんでもします。」

調子良いこと言ってしまったけれど、
何もわからない人に教えるくらいなら、自分でした方が早い。
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by chigsas | 2010-10-31 10:54 | 小説