109. 少しずつ 暖かく

雑誌の見開きの大きさの紙に活字の大きさの四角が、お行儀よく並んでいて、
その上に赤鉛筆や青鉛筆で指定が書き込んである。

前のデザイン事務所では、写植の見本帳からデバイダーで長さと幅を測って、
文字が入るスペースをレイアウト用紙に写し、指定を書き入れていたので、
ずいぶん能率が良いこと、と思ったけれど。

篠原事務所での竹内さんの主な仕事は、
それを見ながら、原稿用紙に記事を書くこと、のようでした。

広くて殺風景と思っていた事務所の中が数日経つうちに、
少しずつ暖かくなっていきました。

竹内さんもお昼はお弁当持参。
「愛妻弁当・・・」
最初の日は、ちょっと恥ずかしそうに広げました。
よく見なかったけれど。ボリュームのあるサンドイッチだったかなあ?

ポットにコーヒーも。
「子ども赤ん坊で、手がかかるから無理してくれることないんだけれど、
朝挽いた方が美味しいんだって。最初のうちだけ、なんだろうが、ね。」
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by chigsas | 2010-11-16 02:30 | 小説