114. 灯の つきはじめた 窓 

もう一度カーテン閉めた。そのまま寝てしまったらしい。

目が覚めたとき、辺りはうす暗くなっていました。
お風呂の道具かかえて銭湯へ。
あのアパートではどこの銭湯にいっていたのか、
どこだったか思い出せません。多分駅の近くだった。

覚えているのは、何軒か灯のつき始めた家の、窓の明かりだけ。

街が夕方になっていくときの窓の明かりって、涙がでない?
おばあちゃんの引き出しみたい。いろんな匂いが混じって。

子どもだった私が、母さんに連れられていった母さんの生まれた家.
なぜか、一度しかいった覚えのない家。

裏が山だった。その二階。山に面した小さな部屋の隅にあった鏡台。
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そっとあけた。あのにおい。いい匂い。でも寂しかった。

見えているあの灯り、一つ一つの部屋の中に人がいるんだよね。
by chigsas | 2010-12-19 18:13 | 小説