119. 誰にも 言ったこと ないけれど

めったに着ない白いワイシャツにネクタイ、始めて見たスーツ姿。
私、父さんや大兄さんのドブネズミスタイル見慣れていたから。
あなたが仕事先の固い会社に、
鹿浦さんと出かけるという格好見て、びっくりしたよ。

ワイシャツとネクタイって、すごーくイロっぽいんだ。
ほんとは。

これは誰にも言ったこともないけれど・・・。
わたしの意識のなかでも、
さっきまで眠っていた感覚かもしれない。

あなた、どんどん優しくなっていったの、あのころ。
そのぶん心は、あたしからは、離れていってたんだ。
なんとなくそう、気がついていたんだけれど。
今になると、はっきりわかるんだ。

あたしは、それが快かった。
っていうか、あなたのこころが離れていったことで、
平らかな気分でいられるから、
居ここちよかったのね、たぶん。
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by chigsas | 2011-01-24 14:58 | 小説