122. そんなに かわいく ない

耳を澄ましてみました。息も止めて。
でも、隣のあなたの部屋、静まり返っていました。
あの夜も、
世の中で目を覚ましていたのはあたし一人だったんです。

あたしはペットじゃない。
そんなに可愛くないもんネ。

小学校何年だったか、隣の席の男の子が、
普段は全然仲良くない子だったけれど、そういえばあたし、
小学校の時、友達いなかったんだ。
その子が、

「おおたさん、犬飼ってる?」
とても真面目な顔でいったの。
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帰りがけに。
「ん?」
「犬、いらない?」
「んーん?
犬なんていらない」

そしたら
通りかかった子
を呼び止めた。
「可愛い子犬
なんだよ。」

ゴミ箱の横の箱
で鳴いてたのを
近所の植木の
下に隠して、
パンと牛乳
置いてきた
らしい。
by chigsas | 2011-02-15 09:29 | 小説