125. また、糸のきれた・・・・・

次の朝出社したら、私の机にマグがそのままありました。
冷たいコーヒーが入ったまま。
前の晩、篠原さんが用意しておいてくれたらしい、仕事の袋と並んで。
袋は、その頃覚えかけていた、ワープロ打ちの仕事でした。

とりあえず、ガスにやかんをかけて、机を拭いていたら、
「おはよー。寒いねー。もう12月だからあたりまえだけど」
竹内さんが元気に出社してきました。

ストーブ、つけ忘れてたんです。
そうだ、寒いんだ。慌てて石油ストーブつけたら、燃え始めの石油の匂い。
あのときの匂い、まだ思い出します。前の晩から私にまといついていた何か。
それがくすぶった匂いでした。

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「夕べは、
あなたのとこに
行けなかった、
だから」

また、私は
糸の切れた
タコになった。
と、その時
思いました。

でも、
境事務所を
クビになった
ときに感じた
のとは、
ぜんぜん違って
いました。

なぜ? 
どんなふうに?

あの、
あっけらかんと
した自由。
どこに消えた
んだろー?
by chigsas | 2011-03-16 19:30 | 小説