134.何も 起きなかった 一日

お母様がいらしたあの日は何でもない日だった。
覚えている程のこと何も起きなかった。
そう思っていたけれど、本当はそうではなかった。

お母様は私のこと、とても正確に知ってらっしゃるらしい、
と感じて安心した。
それは、私にとってすごく大きなことだった。
だからかえってあの日は、特別何もなかった日なんだ。

お母様、私が何をしてきたか。どんな人間か。みんなわかってらした。
うちの父さんと母さんより、事実を知っていらしたかもしれない。

「あなたがちゃんと私のこと話している」
うれしかったの。

「親のわたくしだって、何を考えているのか、全然分からないんだから」
って、本当ではなかったかも。というか、
あなた、考えていることは黙っていても、
起きていることは、話していたんだ。ね?

でも、ほんとは、そうじゃなくて、
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あなたの話から勘のいいお母様が、全部を感じ取って下さったのかしら?
by chigsas | 2011-06-13 16:35 | 小説