142. 心配 しては いけない

あたしの部屋は、あなたが最後に見たときのままの、ごしゃごしゃ。
いや、もっとごしゃごしゃがひどくなっています。
それで、いつのまにかあたし、
ここで眠るようになった。
ごめんね。

あの日あなた、夕方近く、
「ちょっと出かけてくる。多分遅いかもしれない。」
それだけだった。ね。
そんなこと一度もなかったのに、私、
普通のことみたいに思ったの、あの時は。

その晩は帰ってこなかった。
心配じゃなかった、っていうと嘘。でも、心配しちゃあいけない。
きっと心配されたくないんだ。って。思った。

その二日後の朝、電話で起こされた。
「警察?」
何を言われたかも分からなかった。パジャマのまま、大兄さんに電話して、
またベッドに潜り込んだ。
何年も連絡もしなかった兄さんに電話がつながった。「ふしぎ!」

あなたが消えた。
私、きっと、ずっと前から、あなたが私の前から一瞬に消えるって
知ってたような気がするの。今は。
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by chigsas | 2011-08-06 11:30 | 小説