突然はじけた?・・・10
思い出すだけで、うっとり、心が融ける。
母親と一緒に寝ていた妹が足で蹴った。
あれはたぶんワザと。
母親が無意識に布団と一緒に二人を
引き寄せようとしたけれど、
そーっと、お祖母さまの部屋に戻った。
まめ電球の下で、ふとんも、部屋も
冷えきっていたでしょうね。
あれはいつだったのかしら、
秋の終わり頃だったような、
廊下で、雨戸の隙間から月の光が
もれていたような・・・
でも、あれは「本当にあった」
ことだった、のでしょうか?
祖母は、山二つ越えた小さな村の、
若い男と駆け落ちした、といいます。
多分祖父が死んだ翌年ごろ、だった。らしい。
樹の間に沈む屋敷に、二人の息子が残されました。
影のように一年に1、2度現れる、
くすんだ印象の祖母と「駆け落ち」と言う言葉。
どうしても結びつかないんです。
母親と一緒に寝ていた妹が足で蹴った。
あれはたぶんワザと。
母親が無意識に布団と一緒に二人を
引き寄せようとしたけれど、
そーっと、お祖母さまの部屋に戻った。
まめ電球の下で、ふとんも、部屋も
冷えきっていたでしょうね。
あれはいつだったのかしら、
秋の終わり頃だったような、
廊下で、雨戸の隙間から月の光が
もれていたような・・・
でも、あれは「本当にあった」
ことだった、のでしょうか?
祖母は、山二つ越えた小さな村の、
若い男と駆け落ちした、といいます。
多分祖父が死んだ翌年ごろ、だった。らしい。
樹の間に沈む屋敷に、二人の息子が残されました。
影のように一年に1、2度現れる、
くすんだ印象の祖母と「駆け落ち」と言う言葉。
どうしても結びつかないんです。
by chigsas
| 2012-01-08 21:48
| 短編小説