突然はじけた?・・・13
お祖母さまに手を引かれいつも、一緒だったんですね。
ふん!
フン!!
父親が旧制高校に入るので、大きな都会に出た。
そして、翌年には叔父が出たんだそうです。
そこでまた、二人一緒の下宿生活が始まりました。
大学卒業まで続いたんでしょうねえ・・・・。
いえ、そのあとも、らしいんですが、私は知りません。
休みの度に帰省する兄弟のまばゆい制服姿が、
村の人に与える驚きと羨望。どんなだったんでしょう?
ときどき、心に描いてみても、
それは私には、なんの関わりもないこと、なんです。
お祖母さまから何度も聞いた話、少し寂しい。
夕焼けのような華やかさ。でしょうか?
こころの中を一瞬、風のように吹き抜けるだけです。
記憶にない父親が美少年だったと聞いても、
まるで、風に吹かれて色あせた映画のポスターが、
目に浮かぶだけ。
by chigsas
| 2012-01-27 15:34
| 短編小説