連載小説・・・・・・・・・10

オシロイバナの記憶ーーー10
今なら一緒に泣くことができるa0134863_5172744.jpg

血のにじむその傷口を毎日、
ガリガリこすって、
母は生きていたに違いない。

今の私より十も若かった母。

今なら一緒に泣くことができます。

あなたは忽然と、
わたしのまえから消える・・・

私から逃げるためでなく、
どこかに行くのでもなく消える・・・
理由もなく、突然消える。

今以上に私があなたに近づくと、
たぶん。そうなる。

そう思うだけで、
手の中に小さなイメージの黒い硬い種を
握りしめてしまいます。
冷たい汗もいっしょに。
by chigsas | 2013-07-26 05:18 | 小説