何でも立派で派手な世の中

オミナエシが素敵なお庭、2、3日前から低いところが薄紫に染まりだしたのです。犬を連れないで見に行ったら、小さな花のふさがイッパイついた植物が広がっていたのでした。
「奇麗ですね」とお庭の持ち主とおしゃべりしていて、一株いただいてきました。うちの雑草だらけの庭に植えよう! と思ったのです。
「冬には地上に出ている草は消えるけれど、根は残るからまた来年が楽しみですよ。『かっこうアザミ』っていうんですって」

家に帰って植えてから、思いついて茎を根元から20センチくらい残して切り、花は花瓶に挿しました。
「あら、この花って、もしやアゲラタム?」

この団地に越してきたばかりの頃、門の前でプランターに花の苗を植えていた人になにを植えているのか聞くと「『アゲラタム』ですよ」という答え。
花にくわしくない私は、素敵な名前、どんな花か?と想像たくましくした。
そのお宅の前を通るたびに気をつけていたら、かわいい薄紫の花でした。
すごくかわいいけれど「アゲラタム」という言葉の強い派手なイメージとは遠かった。それで、名前が頭にこびりついていたらしい。

植物図鑑開いてみたけれど、どちらの名前も出ていなかった。それでネットで『アゲラタム』を検索、なーんだ『郭公薊』と同じ花なんだ。

先日のこと美濃焼の壷に生けられた花がやさしくよい風情だった。
「秋明菊ですよね」と聞くと憮然として
「うちの秋明菊はみんなこういう花です」
貧弱だ、といわれたと勘違いした? 今では何でもみんな立派で派手。
立派なのは花だけではない。果物も一人では持て余すほど大きいし、人だって大きくて立派。お化粧もド派手だからねえ!!