19. 電話? 窓から
心がどんどん重くなってしまいます。2年と言う時間が、あなたを
すっかり大人にしてしまったこと、感じていたからでした。
公園の向こうの下宿に尋ねて時、ボストンバッグ脱いだり、履いたりしていた
あなた。今、自分で手早く整えた夕食を頬張っている、目の前のあなた。
「セロリはこのナイフで、かじりやすい大きさに切って、味噌付けて・・・」
と言ったところに、ブザーの音がどこかで鳴りました。
私は一瞬びくっとしたけれど、あなたは茶碗おいて立ち上がり、
窓を開けて下に向って大きな声あげました。
「はーい、いまいきます」
あなたは、入り口から廊下、階段駆け下りて消える。
開けたままの窓、何気なく見たら手の届きそうな隣のアパートの部屋で、
女の人が、窓際の小さな鏡台に向かって、まじめな顔してお化粧の最中。
おいしいお味噌付けてセロリかじりながら、
まるで、夢の中にいるような気持ちでした。
階段駆け上がる音が軽くして
「おふくろ、もう! 毎日のように、なんだかんだって。
電話の呼び出しだって一回20円。
部屋代払う時、まとめて請求されるんだから・・・。
タケシ君にも、おばさん、やっぱり同じ?」
あなた、開いたままの窓締めて、カーテンも閉めて。
外が暗くなり始めていました。
「去年はね。今年はそうでもない・・・。
オオニイサンが就職したから、母さんの気持ち、そっちにすこし
移ってるみたい。おかげで、コニイサンだけじゃなく、私もラクなんだ」
すっかり大人にしてしまったこと、感じていたからでした。
公園の向こうの下宿に尋ねて時、ボストンバッグ脱いだり、履いたりしていた
あなた。今、自分で手早く整えた夕食を頬張っている、目の前のあなた。
「セロリはこのナイフで、かじりやすい大きさに切って、味噌付けて・・・」
と言ったところに、ブザーの音がどこかで鳴りました。
私は一瞬びくっとしたけれど、あなたは茶碗おいて立ち上がり、
窓を開けて下に向って大きな声あげました。
「はーい、いまいきます」
あなたは、入り口から廊下、階段駆け下りて消える。
開けたままの窓、何気なく見たら手の届きそうな隣のアパートの部屋で、
女の人が、窓際の小さな鏡台に向かって、まじめな顔してお化粧の最中。
おいしいお味噌付けてセロリかじりながら、
まるで、夢の中にいるような気持ちでした。
階段駆け上がる音が軽くして
「おふくろ、もう! 毎日のように、なんだかんだって。
電話の呼び出しだって一回20円。
部屋代払う時、まとめて請求されるんだから・・・。
タケシ君にも、おばさん、やっぱり同じ?」
あなた、開いたままの窓締めて、カーテンも閉めて。
外が暗くなり始めていました。
「去年はね。今年はそうでもない・・・。
オオニイサンが就職したから、母さんの気持ち、そっちにすこし
移ってるみたい。おかげで、コニイサンだけじゃなく、私もラクなんだ」
by chigsas
| 2009-08-11 06:31