24. 想像の 外の ?

改めて住所を聞いて面接に出かけました。
同じ区内と言っても国電から地下鉄に乗り換えなければ行けない場所。
地下鉄の駅からは2,3分の静かな住宅街にあるアパートの一室でした。

6畳二間続きの部屋に大きな座卓が有って、その周りに5人の女性がいた。
入り口にあるキッチンでは、なぜか大きな蒸し器が盛んに湯気を上げている。
想像していたのとは全然違う工房でした。

私にとっても想像外だったけれど、
部屋の隅の机に座っていたそこのオーナーらしい男性にとっても、
私は想像外の人みたいでした。簡単な挨拶のあと、

「では、まず履歴書を・・・」
って言われて、ぽかんとその人の顔を見た私に
「まあ、いいか。とりあえず、これに名前と連絡先、書いて」
とメモ用紙を差し出しました。

私の持って行ったスケッチブック広げながら
「いくつ?」
「今年高校卒業しました。N高です」
「デザイン勉強したワケじゃないのね?」
「はい。3年間美術の授業とりました。」
「よかったら、試しに来てみてもいいけれど・・・、月給制ではないから、
これで食べるのは無理と思って、なら・・・」
みたいなやりとりがあって、次の日からそこに通うことになりました。

はっきりした金額覚えていないけれど、一ヶ月の定期代にちょっと上乗せ、
メーカーが買ってくれれば、デザイン料として数百円という条件でした。
でも毎日決まった時間に行くところがあるのが、なにより嬉しかった。

今まで身の回りにいなかったような人たちの中に入るのも面白そうだったし。
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by chigsas | 2009-08-22 10:09