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一年以上、このブログは小説にこだわって書いてきました。
お話の結末は書き始めた時から決まっていました。まるで、
今日本に起きていることを、心の底で予感していたみたい。
でも、なんだか、今の気持ちと小説は、少しちぐはぐです。
もう一つのブログの方が、今の気持ちに近いかもしれない。
「あるもの あるままに」
http://blogs.yahoo.co.jp/chig_s
前日の晩から、ずっと続いていた、心もとない、頼りない感覚。
あなたの周りに薄いもやが幾重にもかかっている。
もしかしたら、もやは、あたしが張り巡らせている網かもしれない。

あたしは、じっとしている。
あなたの姿がすこーしはっきりみえてくる。だのに一瞬、
あなたが消える。

あたしが動くと、あなたが見えなくなる。

何日かして、めったに電話なんかくれないあなたから
「うちの事務所にくる?」
「えっ! ?」

間違い電話かな、と思いました。
あなたの声とはわからなくて、受話器、すこし耳から離して、

「わっ」って声が出たかもしれない。

「ん? なに?」
「わーっ、のださんっ」
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by chigsas | 2011-03-23 22:13 | 小説
次の朝出社したら、私の机にマグがそのままありました。
冷たいコーヒーが入ったまま。
前の晩、篠原さんが用意しておいてくれたらしい、仕事の袋と並んで。
袋は、その頃覚えかけていた、ワープロ打ちの仕事でした。

とりあえず、ガスにやかんをかけて、机を拭いていたら、
「おはよー。寒いねー。もう12月だからあたりまえだけど」
竹内さんが元気に出社してきました。

ストーブ、つけ忘れてたんです。
そうだ、寒いんだ。慌てて石油ストーブつけたら、燃え始めの石油の匂い。
あのときの匂い、まだ思い出します。前の晩から私にまといついていた何か。
それがくすぶった匂いでした。

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「夕べは、
あなたのとこに
行けなかった、
だから」

また、私は
糸の切れた
タコになった。
と、その時
思いました。

でも、
境事務所を
クビになった
ときに感じた
のとは、
ぜんぜん違って
いました。

なぜ? 
どんなふうに?

あの、
あっけらかんと
した自由。
どこに消えた
んだろー?
by chigsas | 2011-03-16 19:30 | 小説
しばらくして思いついたことが、
「おととい、いったとき、全然、そんなそぶりもなかったのに・・・」
でも、言葉にはならなかった。

あなたも、だまったまま。で、あたしの方が、切り替えは早い。
「あたし、おてつだいするよ」

一瞬黙ってから
「いや、コノちゃんに手伝ってもらっても」
「困るんだ! ふン 邪魔になるだけだ、もンね」って言葉のみこんで
「ンじゃー」

帰り支度して立って電話してたんだけれど、
そのまま椅子に腰を落としてしまった。
一人でお湯を沸かして、インスタントコーヒーをマグに溶いて、
また椅子に腰掛けた。

ぼーっと座っていたら、篠原さんが帰ってきた。

「どうしたの?」
「帰るとこでした、びっくりさせて・・・。すみません」
「遅くまで、ご苦労さん。きをつけて」

事務所のドアを閉めて、廊下から階段降りながら、あたし、
「あなたのところに今晩のこと聞いてもらいに行なけりゃ!」
って思っての。
あたしの頭の中には、あなたがもう一人いたんだ、あのとき。
もう一人のあたしが、
「野田さんに話そう!!」
そう思ってたの。そうすれば、いいんだって。
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あの晩はすごく長かった。
by chigsas | 2011-03-07 12:38 | 小説