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爆ぜる 種

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硬い黒い粒

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しらない子と

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蔵の前で

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夏の朝

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何かが、突然にはじけたのでしょうね? 
長い時間、ずっと抱えてきた矛盾。
少女のまま年をとっていった彼女の中で、
矛盾だけが大きく発酵していったのかもしれません。

やはり無口な夫さんは
「そういえば、元々口数が少ない人だった。けれど、
更年期頃から、独り言を言っているのに気がつくようになった」
と、いいますが・・・
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じみで、静かな夫さんとのふたりだけの30年、何だったんでしょうか?

友人の紹介で結婚したと言う夫さんは、いつまでも幼い彼女を、それは大事にしていたと、まわりのだれもが言うけれど・・・。

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矛盾というにはあまりに、激しかったんですね。
心の中に積もってしまったチリ。

『突然はじけた』 はお終いです
つぎは  『オシロイバナの記憶』
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あの家からはなれたかった。
お祖母様から、できるだけ遠く、
離れたいとだけ思っていたの。

今気づきます。
なんにも起きないままだった。と。

結婚して、
落ち着いて暮らしてきたから、
そう思えるんでしょ?

ん? あたし、結婚していた?

そう。
夫さん、まじめで
優しい人ではありませんか? 

毎週、決まって
土曜に見えてるじゃないの?


あのお爺さんは、
知らない人です。
言わなかったかしら?

家族のような顔して
いつもくるけれど、

何も関係ない人。ホントは。
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ミシンというものを初めて見たの記憶は、
日の射さない彼のアパートの窓際。

「おれ、ミシンうまいんだぜ。姉貴が
電動に買い替えたんで、古いのをもらってきたんだ。」

初めてのボーイフレンドは同じ職場の同僚だったらしい。
街に就職した姉の下宿においてもらって働き始めた頃、

19歳だったといいます。

ずっと大人に見えた。
考えてみれば、ほんとうは彼未だ二十歳になったばかり
だった。時々映画を見に連れて行ってもらったり、
下宿に遊びにいったり。

ぽ ん!!
ここでも、小さくはじけたけれど。

ボーイフレンドの記憶。

疾走するミシン、だけ。

彼は、うまれて初めて身直に感じた『命をもつもの』だった。

声だけは、とてもリアル。

少年だったのですね、その声。とその指。
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ときどき隣の街にかかる映画のポスターが、細い道路の辻にある
「よろず屋さん」にいつも架かっていました。

風の通り道でしたね。

兄二人は父親と叔父と丁度同じ、年子、そして仲良し。

まるで、二人会わせて一人という関係も、
多分同じだったんですね。

違うことは一つ。父親たちには、妹はいなかった。

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彼の右手が、ゆっくり、小さいけれど重そうな鉄の輪を回したんです。
一足遅れるように左側にある針が上下に動きはじめました。

・ ・・あとは、リズムに乗って機械全体が軽やかに、走り出すでしょう。
うっとりするほど心地よい音、でした。

軽い疾走感。ですね。
音楽みたいでした。

気がつくと彼の足も柔らかく動いている。
それが、だんだん速くなって、ミシンと彼が一つになって、
風になっていました。
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姉たちが洋裁をしているのを、
森に沈んでいるあの家にいた頃見たことがあったかどうか、

おぼえていません。