「わしも、詳しくは知らんかったけが。音沙汰なくなっていたケイちゃまが
裏日本の小さな町にいるらしい。さとサマが会いにいったらしい。

おふくろが親父とコソコソ話していたのを、聞いただったか・・」

「しばらくして、
さとサマがあんたたち3人を連れて親戚一門に挨拶にまわったんだっけが。
そのとき始めてあんたのお母さんを見たっけに・・・」

「こんな田舎では見たこともないハイカラな人。だっけえ。」

父の遠縁のツネオジさんから、ずいぶん昔に聞いた話。
                    
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# by chigsas | 2013-08-01 06:32 | 小説
オシロイバナの記憶ーーー10
今なら一緒に泣くことができるa0134863_5172744.jpg

血のにじむその傷口を毎日、
ガリガリこすって、
母は生きていたに違いない。

今の私より十も若かった母。

今なら一緒に泣くことができます。

あなたは忽然と、
わたしのまえから消える・・・

私から逃げるためでなく、
どこかに行くのでもなく消える・・・
理由もなく、突然消える。

今以上に私があなたに近づくと、
たぶん。そうなる。

そう思うだけで、
手の中に小さなイメージの黒い硬い種を
握りしめてしまいます。
冷たい汗もいっしょに。
# by chigsas | 2013-07-26 05:18 | 小説
オシロイバナの記憶———9
母の心の中で爆発したなにか

「あたしの、せいなの!」
そのあとも、私を抱きしめて、まだ、
しゃくり上げていたようでした。

あなたが私の前に現われた、今
だから、はっきりわかります             
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あのとき母の心の中で爆発した何か。
言いたかったこと。
父に言いたかったんです。きっと。
私にではなく・・・
 
自分の半分がもぎ取られた。いや、
もぎ取られたんではなくて・・・。
母は、
「全て自分の『心と言うか、持ってはいけない何か』
がもとで起こしてしまった。」
そう思っていたんです!  
# by chigsas | 2013-07-20 21:04 | 小説
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# by chigsas | 2013-07-10 19:28 | 小説
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# by chigsas | 2013-07-04 18:53 | 小説