疲れたというのとも違うけれど。
今朝、通販のものの中に入っていた広告みて
なにかが、心にぐさっとささった。
なんて大げさな言葉!! 
わざとらしい!  私のこの言葉も、広告も。

私のブログも同じにちがいない。
ちょっと大洗濯して、洗い晒さなければ!
というわけです。
オミナエシが素敵なお庭、2、3日前から低いところが薄紫に染まりだしたのです。犬を連れないで見に行ったら、小さな花のふさがイッパイついた植物が広がっていたのでした。
「奇麗ですね」とお庭の持ち主とおしゃべりしていて、一株いただいてきました。うちの雑草だらけの庭に植えよう! と思ったのです。
「冬には地上に出ている草は消えるけれど、根は残るからまた来年が楽しみですよ。『かっこうアザミ』っていうんですって」

家に帰って植えてから、思いついて茎を根元から20センチくらい残して切り、花は花瓶に挿しました。
「あら、この花って、もしやアゲラタム?」

この団地に越してきたばかりの頃、門の前でプランターに花の苗を植えていた人になにを植えているのか聞くと「『アゲラタム』ですよ」という答え。
花にくわしくない私は、素敵な名前、どんな花か?と想像たくましくした。
そのお宅の前を通るたびに気をつけていたら、かわいい薄紫の花でした。
すごくかわいいけれど「アゲラタム」という言葉の強い派手なイメージとは遠かった。それで、名前が頭にこびりついていたらしい。

植物図鑑開いてみたけれど、どちらの名前も出ていなかった。それでネットで『アゲラタム』を検索、なーんだ『郭公薊』と同じ花なんだ。

先日のこと美濃焼の壷に生けられた花がやさしくよい風情だった。
「秋明菊ですよね」と聞くと憮然として
「うちの秋明菊はみんなこういう花です」
貧弱だ、といわれたと勘違いした? 今では何でもみんな立派で派手。
立派なのは花だけではない。果物も一人では持て余すほど大きいし、人だって大きくて立派。お化粧もド派手だからねえ!!
毎日犬の散歩で通る庭、楽しみです。家そのものも白壁を今風に生かして素敵なんだけれど、なんといってもお庭がいい。
数日前に、真っすぐな細い茎に黄色い小さな花が咲いているのを見つけた。
引っ張っても犬が、道のその家側に行こうとしないので、傍でよく見ることはあきらめた。次の日に反対向きに同じ道を通ってみた。やはりオミナエシかしら?
たしか。オトコエシというのもあった、と思って図鑑を引っ張りだす。
なんだ、色が違うんだ。オトコエシは白い花。
今朝ブログをいくつか見ていたら
「女郎花とは何という名前を付けたのかしら?」 
と嘆いている記事を見つけて、その庭のオミナエシを思い出した。
ついでに『女郎』という字を広辞苑でみた。

女郎=①身分の高い女性 ②若い女、広く女性をいう ③傾城、遊女 
   などとある。
あの花にオミナエシという名がついたのはたぶん『女郎』が『傾城、遊女』という意味で使われるよりずっと前のことだろう。
それでオトコエシも納得がいく。

もう一つついでに、傾城も広辞苑でみてみた。
傾城=①美人 ②遊女
いつだったかバスで山の麓の道を通った時『傾城』というバス停があって、
昔は賑わった城下町だったのかなあ?
と思ったけれど、あれも違ったのだ。
久しぶりに街へ出た。
駅前の大通りを歩いている人の顔が気になる。ちょうど信号は赤。向こう側の歩道を自転車に乗った初老の女の人が行く。
こちら側の歩道では、ワイシャツの若い男が、ブリーフケースのようなものを下げて左からやってくる。

「朝だというのに、二人ともなんて不機嫌な表情だろう」
お天気はいいのに! 涼しいのに!
周囲を見回すと、バス停にいる人たちも、広場のベンチで煙草を吸っている人も、みんな仏頂面。
笑い顔はタクシーのたまりで、運転席に話しかけている仲間らしい運転手さんだけだった。
信号の向こうはコンビニ。ガラス窓にはられたポスターの写真はどれもみんな笑顔だ。

近くのスーパーまで歩く間も店に入ってからも、なんだか人の表情がきになる。みんな機嫌が悪い顔だった。
子供の手を引いた若いお母さんは怒鳴っていて、子供はいつものことなのか引っ張られながら、かわいい顔で笑いかけてきた。思わず手を振ってしまった。
ハンガーの乱れを直している店員さんも、しかめっ面だった。が、
本売り場だけは笑顔があふれていた。
といっても、ぜんぶ本の表紙やポスターの写真だ。
午前中で人影は少ない。歩いている人も下をむいている。

必要なものをかごに入れてレジに並ぶ。
レジを打つ店員さんも「レシートのお返しです」と、声はハイなんだけれど顔は引きつっている。
本売り場を通ると同じポスターがさっきと同じ顔で笑っている。

信号の傍のコンビニ、ガラスのポスターもみんな、さっきと同じ顔で笑ってる。
ガラスに映った私の顔もしかめっ面でした。

なんという街だろう!!   だけど
みんな、にやにやしている街は、もっと気味悪いかも?



オシロイバナの記憶  17


オシロイバナは実は、あちらにもこちらにもいっぱいあって。
オシロイバナとあの小さな固い実が見えないのは私だけ?
連載小説・・・・・・・・・17_a0134863_135141.jpg


あなたが、わたしのまえに現れた今
あの時の母のように私は袋小路に迷い込んでいる。
私が一歩、足を踏み出すと、あなたはぱっと消えてしまう!

道は、
山を背負った古い蔵の扉に阻まれて
どこにも通じていない。

<了>
# by chigsas | 2013-09-08 01:36 | 小説