118. ほんとの 意味で セクシー

あのときのこと、
覚えてない?

覚えてない、なんて言わせない! 絶対!!

でも、もしも・・・・
あのとき、無意識に飛び上がったこと、
あなたがもし、覚えてないとすれば、

そのくらいあなたにとって大きなことだったんだ。・・・ね。

記憶の一番奥に押し込めなけりゃいけないくらい大きくて重くて、
持ちきれないことだったんだ。

あなた、そういう重い大きな物いっぱい心の奥に押し込めて、
その重みで、あの夜の海に滑り込んでいった。

かもしれない。
ね。
たぶん。

あなたが身の回りにいつもいるのが当然、そうなっても、
私にとってあなたがほんとの意味でセクシーなのは
変わらなかった。もしかして、
セクシーの度合いがどんどん深くなっていったのかもしれない。
ふだんは鳴りを潜めているのに、
ふっと浮かびあがってきて、私を脅かす感覚。
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あの、東町の家の玄関の前で、ばったり会ったときの、
あの感覚。そのまま。

同じ感じで、浮かんでくるあなた。
by chigsas | 2011-01-18 08:18 | 小説