ホセアの女・・・7

何か違う、と3人とも感じていたのか?
いや、わたしだけは、わかっていたのだけれど。

友人もNも何かが始まると思っていたのに。
あそこでお終いだった。
あそこはお終いの場所なのだ。
そこから、子犬が一頭だけ、助け出された。

そして、ワゴン車が走り去ったから、
三人はもう、関係者ではなくなったのだ。

3人の乗る黄色い軽自動車は山の下を回る細い道を走った。
速くもなくゆっくりでもない速さ。
泥水の中を走っているみたいだ、と、思った。
友人は隣で、どこを今見ているんだろう?

ワゴン車で走り去った男たちはさっき、
若い女に顔を向けて
「じゃあ、手続きは、支所で。書類だけですから簡単です。
場所わかりますか?」
「あ、堀川町ですよね」
答えたのは運転席の若い男。女は膝の上の犬をなでていた。

私と何度も顔を合わせたことのあるワゴン車の男たちは、
この日、完全に私たち三人を無視]していた。

無視せざるをえなかった。
誰もが、仮面の顔で通さなければいけない場所だ、
・・・から。
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by chigsas | 2011-10-29 14:04