ホセアの女・・・ 11

その何日か前に、家の犬の散歩の途中で出あった犬。
あのとき、私の言葉を待つように見つめた目はしかし、
ガラス玉のような茶色だった、何の表情もなかった。

檻の中でも、同じ目をしていた? かもしれない。

そのあと、どうしたか、思い出せない。

あの毛の長い犬は、Mが友人の友人に貰ってもらった。
おとなしく人なつこくて、かわいがられているというが。

顔の黒い犬と毛の長い犬、
本当はだれが選んで、誰が決めたのだろうか。

Nのネーサンの店で、あの若い女の上を
通り過ぎていく男たち。

多くの男達。

女が選んだ若い男。
毎晩、犬と一緒に、女の帰りを待つ一人の男。
一人なのだ。

女に語りかけたのは「何」か?
男に語りかけたのは誰?

硬いキャベツ、硬いまま舌の上に、
残ったまま。

a0134863_13261936.jpg


「ホセアの女」
 おしまい