2.ほどけない毛糸玉

「僕たちの・・・」
「?・・」
「結婚・・・。に・・・」
「?・・」
「ついて・・・。どう思う?」

まるで、床の上にころがっているおもちゃを除けながら歩く、よちよち歩きの子供の足どり、のようにあなたの口からこぼれてきた言葉。私には、あまりに唐突でした。まるで、自分たちのこととは思えなくて、ぽかーんとして。
そのとき私が抱えていた大きな糸玉はなんだったか、今も思い出せません。
そして、あなたが急に違う人になって、いつもより、遠くはなれていくような感じでした。あなたが何を言おうとしているか、頭の隅で、わかりはじめるまで・・・。
相当の時間、二人とも黙ったままでしたね。
知らないうちにあなたが頼んでくれたレバの塩焼き、口に入れて・・・。そのとたん、私の中に広がっていった柔らかな温かい何か。その間、あなたは何考えていたの?
「ワーッ! て、大きな声で泣けたらいいのに、なぜ?!」
って私は、心の中でさけびながら・・・
でも、ただ黙って、座っていました。

あなたが本のページ閉じたの、ほんとはあの時ではなかった。多分もっとずっと前、それも一度にではなくて。少しずつ、私が知らないうちに閉じていたんでしょうね、これを書いている今、それが見えてきています。
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by chigsas | 2009-07-07 20:58